
① 相手にケガをさせた時の賠償は、「個人賠償責任」が付いた火災保険で足ります。
私は月600円の火災保険で、最大1億円まで出ます。火災保険には「個人賠償責任」(他人にケガをさせた時などの賠償)が付いていないものもあります。入っている人は、契約の欄を見てください。ただし、自分がケガをした時は、火災保険からは何も出ません。
② 自分のケガと遭難の救助費用は、yukiyama保険(スキー・スノボ向けの短期レジャー保険)が備えます。ただし「骨折級のとき数万円が戻る、救助費用の備え」というミニ保険です。
私は足首の骨折で6万円でした。通院が8日以上続くか、入院・手術になるケガが対象です。遭難の救助費用は上限50万円です。
③ 私の答え:賠償は年中、自分のケガは冬だけ。
自分のケガの保険は、数万円の出費で困る人か、安心料として払える人に入る価値があります。払えるなら、入らなくても構いません。
💡 この記事でわかること
✅ 相手への賠償は、火災保険の特約で足りる(私は月600円で最大1億円)
✅ 自分のケガは、骨折級のとき数万円(私は6万円)。軽いケガは出にくい
✅ 治療費が保険金より少なければ、全額まかなえる。請求に必要な診断書代まで足すと赤字になることもある
✅ 入院や手術は、この保険金では足りない。国の高額療養費制度(月の自己負担に上限が決まる制度)を使う
✅ 私の答えは、賠償は年中、自分のケガは冬だけ
保険には入っているけれど、中身までは読んでいない。そういう人がほとんどだと思います。
この記事には、3つの別々の話が出てきます。まず自分がケガをした時の保険金(通院・入院・手術)、次に相手にケガをさせた時の賠償、最後に遭難した時の救助費用の順に話します。見出しの頭の【 】に、いま何の話をしているかを書いてあります。救助費用は、最後の「保険の中身」の節で説明します。

上の図は、3つの備えで何が出るかを並べたものです。◯は出る、△は上限が低い、✕は出ない、を表しています。つまり、相手への賠償は個人賠償責任が付いた火災保険で足り、自分のケガと救助費用はyukiyama保険だけです。
🤔 【自分のケガ】戻る額は、通院日数で決まる定額(3万・6万・10万円)
通院だけなら、3万円・6万円・10万円のどれかです。かかった費用ではなく、通院した日数の合計で決まります。私は約20日の通院で6万円でした。
出張の日当と同じです。実際に使った額に関係なく、日数で決まった額が出ます。

上の図は、私が入っていたレジャー保険(yukiyama保険)の説明書(重要事項説明書・2025年版)に載っている保険金のうち、通院の区分を階段にしたものです。出しているのは東急少額短期保険(保険金が小さく、期間が短い保険だけを扱う保険会社の区分です)。「0円」は、その日数では保険金が出ないという意味。私は6万円を受け取りました。
⚠️ 【自分のケガ】保険金が出ないのは、通院7日以内など3つの時
⚠️ 条件を満たさないと、保険金が出ない所
👉 結論:保険金が出ない主な条件は3つ。通院が合計7日以内、事故から180日を過ぎた分、競技中のケガです。

① 通院も入院も、合計7日以内なら0円です。3日通院して治ったケガには、保険金は出ません。ポイントカードのスタンプが規定の数に届かないと何ももらえないのと同じです。
② 事故の日から180日を過ぎた通院・入院は、日数に数えません。
③ 「乗用具を用いて競技等をしている間のケガ」は対象外です。パークなどが競技に当たるかは、書類だけでは私は分かりませんでした。迷う場合は、申込む前に保険会社へ聞くのが確実です。
ほかにも条件があります。細かい条件は、申込む前に説明書で確認してください。
私の通院は約20日で、事故から180日以内。だから「15〜30日」の区分で6万円が出ました。通院が7日で終わっていたら、同じ保険に入っていても0円でした。
😮 【自分のケガ】治療費は賄えても、診断書代で赤字になることがある(私は3,710円)
病院の費用が保険金以内なら、全額まかなえます。保険金は通院日数で決まる定額なので、病院の費用が保険金を上回った分だけが自腹になります。保険金を請求するのに必要な診断書(医師がケガの状態を書いて証明してくれる書類)の代金や、通うための交通費は補償の項目にないので、全部足して保険金を超えると赤字になります。
次の図は、私が病院の窓口で払った額と、受け取った保険金を天秤に並べたものです。病院の金額は、窓口で払った総額(病院に電話して確認した額)です。見てほしいのは、診察・治療の分だけなら保険金の範囲に収まった(1,790円の余り)ことです。保険金の請求に必要な診断書代まで足すと、3,710円の赤字になりました。

図の数字の内訳です。
・病院の窓口で払った総額:63,710円(うち診断書代5,500円)
・診察・治療の分(総額−診断書代):58,210円
・受け取った保険金:60,000円
・保険金−診察・治療の分:+1,790円(余り)
・保険金−窓口の総額(診断書代込み):−3,710円(足りない)
診断書は、保険会社に保険金を請求する時に必要で、お金を払って書いてもらいました。保険金をもらうための書類代が、保険から出ない。ここが盲点でした。
仮の数字で考えてみます(私の場合ではありません)。診察・治療の分が5万円だったら、診断書代5,500円を足しても55,500円です。保険金6万円の中に収まるので、窓口で払った分は全額まかなえて、4,500円余ります。保険金が定額だと、費用が少ない人ほど余り、多い人は超えた分が自腹になります。
診断書代で出た赤字の3,710円は、私の記憶ではリハビリ1回が2,000円ほどだったので、おおよそ2回分です。ただ、ここは妥協しない方がいいと、私は思っています。リハビリも削らず、しっかり足を直す方が絶対に良いです。足は一生使うものです。私は趣味でスノーボードもしているので、ケガをする前までは戻らなくても、それに近い状態まで戻したいと思っています。
ほかにも、上の図の数字に入っていない出費がありました。次の枠は、その一覧です。
💸 保険の外で払ったもの(金額が分かるものだけ数字)
👉 結論:保険金に入らない出費は、ほかにもありました(診断書の郵送代・別のクリニック・薬代・ガソリン代)。
・診断書の郵送代=足の骨折で取りに行けず、有料で送ってもらいました。封筒の切手代ほどです
・別のクリニック=むくみでギプスを切る必要があり、かかりつけの病院で対応できず、近くのクリニックへ。初診料などが別にかかりました(金額は覚えていません)
・薬代=少額(外傷であまり飲みませんでした)
・ガソリン代=自宅から病院まで片道10km。通院のたびに往復20kmでした
折れたのが左足だったので、車を運転して通えました。右足だったら運転できず、往復20kmをタクシーで通うことになっていたはずです。
🏥 【自分のケガ】入院や手術になると、この保険金では足りない

入院や手術になると、この保険金だけでは足りなくなります。通院で治るケガなら保険金でだいたいまかなえますが、入院するような大ケガだと、保険金はかかる費用の一部にしかなりません。
私の通院は、保険金でほぼまかなえました。前の節の数字のとおり、診察・治療の分は保険金の範囲に収まっています。
入院は私に経験がないので、国の制度と公的な調査の数字で考えます。まず、入院でかかるお金の平均を見てみます。
📚 調べて分かったこと
👉 結論:入院すると平均の自己負担(10日で約24万円)に対して、この保険の入院保険金(8〜14日で3万円)では足りません。
出典:生命保険文化センター「2025年度 生活保障に関する調査」。
入院の自己負担は、1日あたり平均24,300円。10日入院で約24万円です(食事代・差額ベッド代・交通費などを含む)。この保険の入院保険金は、8〜14日で3万円、31日以上でも最大40万円です。
ただし、入院でも、病院に払う治療費には上限があります。
📚 調べて分かったこと
👉 結論:入院や手術で治療費が9万円(標準的な年収の目安)を超えそうなら、高額療養費制度を使いましょう。1か月の治療費に上限が決まり、そこからはみ出した分は払わなくてよくなります。

出典:厚生労働省「高額療養費制度の概要」、協会けんぽ「高額療養費」。
上限は1か月ごとに、収入で決まります。標準的な年収(約370万〜770万円)の人なら、医療費が100万円かかっても自己負担は約9万円(92,940円)です。
年収が低い人は上限がもっと低く、高い人は上限も上がります。
入院中の食事代などは対象外で、上限とは別に払います。
つまり、この保険は「通院で治るケガならだいたい足りる。入院する大ケガには足りない」設計です。保険料が安い分、大きなケガは守りきれないと分かったうえで入るものだと、私は受け取っています。
🛡️ 【相手への賠償】相手へのケガの賠償は、火災保険などの特約で賄える

自分のケガより、相手にケガをさせた時の方が怖いですよね。自分の治療費は、前に書いた高額療養費制度で上限があります。ただ、相手への賠償は相手の損害の分だけ請求されるので、下の判例のように数千万円になることもあります。
火災保険に入っている人は、契約内容の「個人賠償責任」の欄を確認してください。名目が火災保険なので、相手への賠償が付いていることを知らない人もいるかもしれません。付いていれば、スノーボードで他人にぶつけた時の賠償が、すでに備わっています。
私が入っているのは、Mysuranceの賃貸向けの火災保険(スマート賃貸火災保険 ベーシックプラン)で、月600円です。相手への賠償は最大1億円と、かなり大きな額です。
相手への賠償を備える火災保険と、自分のケガを備えるyukiyama保険では、役割が別です。どちらにもメリットとデメリットがあるので、どこまで許容したいかで、入る保険が変わります。
📚 調べて分かったこと
👉 結論:スキー場の衝突で相手に大ケガをさせ、5,936万円の賠償が認められた例があります。責任を問われやすいのは、上から滑ってきた側です。

出典:河原崎法律事務所「スキー場での衝突事故の損害賠償請求事件の裁判例」。
大阪高等裁判所の判決(平成18年4月27日)では、上からスノーボードで滑ってきて衝突し、相手に頸髄損傷と後遺障害を負わせた加害者に、5,936万4,264円の賠償が認められています。
スキー場の衝突事故は、上から滑ってきた側に責任を認めるのが原則です(最高裁 平成7年3月10日判決)。
賠償は、2本入っても金額は足し算になりません。相手の実際の損害額までしか出ず、2本あれば分け合うだけです。
1億円より上げたい場合は、自動車保険の「個人賠償責任特約」に、国内の事故を無制限にしている会社もあります。自分の保険証券の、この特約の欄を見るのが早いです。
ちなみに私の自動車保険には、この個人賠償責任特約が付いていませんでした。スノーボードで他人にケガをさせた時の賠償は、自動車保険では賄えず、火災保険の1億円が頼りです。
🧭 【全部まとめて】私の答えは、賠償は年中・自分のケガは冬だけ

私の考えはこうです。11月から4月いっぱいは、スノーボードで相手にケガをさせる可能性がある。そこは車の保険でいう「無制限」のように手厚くしたい。一方で、自分のケガは最悪、実費で治せばいい。
保険は、平均すると払った保険料より戻ってこない仕組みです。だから自分のケガの保険は、払えるなら入らなくても構いません。入る価値があるのは、数万円の出費でも生活が苦しくなる場合や、安心料として払ってもいい場合です。私が保険に入っている一番の理由は、自分のケガより、相手への賠償です。
そう考えると、組み立てはシンプルになります。
🧭 私の組み立て(夏と冬で変える)
👉 結論:夏は火災保険(個人賠償責任付き)だけ。冬(11〜4月)は、その火災保険にyukiyama保険を足す。これが私の組み立てです。
・夏(オフトレ)=火災保険だけ。守られるのは相手への賠償(1億円)。自分のケガは健康保険の3割負担で自腹
・冬(11〜4月・私はここ)=火災保険+yukiyama保険。相手への賠償(1億円)に加えて、自分のケガの定額と、遭難時の救助費用が付く
yukiyama保険を冬に足す目的は「賠償の上乗せ」ではなく、「自分のケガ」と「救助」の2つです。
保険料の目安も調べました。東急少額短期保険の申込画面で試算した額で、同じ補償内容の商品(スマQsnow)の料金です。
📚 調べて分かったこと
👉 結論:yukiyama保険の料金は、11月〜4月の6か月で7,020円(1人)です。
出典:東急少額短期保険の申込画面での試算(2026年10月)。
1か月=1,170円、11月1日〜4月30日の6か月=7,020円、1年=14,040円(いずれも1人あたり)。
6か月7,020円で6万円が戻った。私の骨折はそういう計算になります。
📱 【保険の中身】yukiyama保険は、骨折級のとき数万円が戻るミニ保険

yukiyama保険は、「ケガの費用の大部分をまかなう保険」ではなく、「骨折級のとき数万円が戻る、遭難時の救助費用の備え」というミニ保険です。相手への賠償も、1,000万円までは出ます。私が入っているのは、このyukiyama保険です。
yukiyama保険は1つの保険です。その中に、ケガや事故の種類に合わせて5つの保証(支払われる項目)があります。
図の「入院 3万〜40万円」は、入院した日数で決まります。8〜14日で3万円、15〜30日で15万円、31日以上で40万円です。40万円は入院が1か月以上続いた時の最大額で、前の節で比べた10日ほどの入院は、この8〜14日の区分に当たり、3万円です。
yukiyamaというスキー・スノボ用のアプリに載っていた、おすすめのレジャー保険です。私はそこから申込みました。
yukiyama(ユキヤマ)とは、株式会社ユキヤマが出している無料のアプリで、全国約400のスキー場に対応しています。地図の上で自分や仲間の居場所が分かり、滑った距離や最高速度も記録できます。ゲレンデ専用の地図アプリのようなものです。
保険の出し手は東急少額短期保険で、補償の中身は、上の保証①〜⑤のとおりです。
ケガをした時は、診断書を書いてもらい、郵送で受け取り、請求する。手続きがいろいろありました。それでも、診察が終わってから約2か月後に保険金が振り込まれた時は、ホッとしたのを覚えています。
❓ よくある質問
Q. 骨折でなく、捻挫や打撲でも通院の保険金は出ますか?
A. 出ます。急な事故によるケガであれば、骨折に限りません。ただし、通院が通算7日以内なら、ケガの種類にかかわらず0円です。また、医師が検査で確認できない症状(医学的他覚所見のない症状)は、支払わない場合に入っています。
Q. 受け取った保険金に、税金はかかりますか?
A. かかりません。ケガで受け取る入院・通院の保険金は、所得税では非課税です(国税庁の質疑応答事例・所得税法施行令第30条)。ただし、確定申告で医療費控除を使う時は、払った医療費からこの保険金を差し引きます。
Q. 一緒に滑っていた家族にケガをさせた場合も、賠償の保険金は出ますか?
A. 出ません。同居する親族に対する賠償責任は、火災保険もyukiyama保険も、支払わない場合に入っています。賠償の保険金が出るのは、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした時です。家族がケガをした時の備えは、次の質問のとおりです。
Q. 家族みんなで備えるなら、どうすればいいですか?
A. 家族それぞれが、自分のケガの保険(傷害保険)に入ります。家族の賠償を肩代わりする保険は、調べた範囲では見つかりませんでした。私が入ったyukiyama保険と同じ補償内容の「スマQsnow」(東急少額短期保険)は、1回の申込で最大12名まで加入できる、家族やグループ向けの保険です(1日300円・1か月1,170円。2023年11月の発表)。
📝 まとめ
💡 この記事の要点
✅ 相手への賠償は、「個人賠償責任」が付いた火災保険で足りる(付いているか契約の欄を確認)
✅ 自分のケガは、骨折級のとき数万円戻るだけ。通院7日以内は0円
✅ 私は治療費は賄えたが、診断書代まで足すと3,710円の赤字だった
✅ 入院や手術は、高額療養費制度を使う(月9万円台が目安)
✅ 払えるなら、自分のケガの保険は入らなくてもいい。入る人は冬だけ
✅ 3,710円を惜しんでリハビリを削るより、しっかり足を直す方が絶対に良い
まとめると、相手への賠償は「個人賠償責任」が付いた火災保険で足り、自分のケガの保険金は骨折級のとき数万円戻るミニ保険です。私の備えは、賠償は年中、自分のケガは冬だけです。保険金が出る場面でも、診断書のような「請求のための費用」は保険から出ないので、私のように少し赤字になることもあります。

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