
9月に入ると、スノボ用品店やSNSで新しいウェアやゴーグルを見かける機会が増えてきます。「そろそろ今シーズンの準備を」と、少しずつテンションが上がってくる時期です。
私自身、スノボを始めて12年になりますが、いまだに毎年この時期は財布のひもが緩みます。ただ振り返ってみると、「欲しくなる順番」と「本当に必要な順番」は、まったく逆でした。
💡 この記事でわかること
- ✅欲しくなる順と本当に重要な順が逆になる理由
- ✅板・バインディング・ブーツ、お金をかける優先順位
- ✅新品とメルカリ、道具ごとの使い分け方
🎿 この記事の結論
一番テンションが上がるのはウェア。でも実際に一番大事なのはブーツです。欲しくなる順と、本当に重要な順は逆になります。だから、お金と気合いを入れるならブーツから。見た目にこだわるならウェアから。どちらを選んでも正解・不正解はありません。今、自分が一番ワクワクする方を優先すればいいと思います。
| 順位 | 欲しくなる順 | 実際に重要な順 |
|---|---|---|
| 1 | ウェア | ブーツ |
| 2 | 板・バインディング(同率) | 板 |
| 3 | 〃 | バインディング |
| 4 | ブーツ | ウェア |
👀 一番テンションが上がるのはウェア

スノボ初心者が一番テンションが上がるアイテムは、圧倒的にウェアだと思います。理由はシンプルで、一番目につく場所だからです。初対面の人と話す時、まず服装が目に入るのと同じで、ゲレンデでも滑走技術より先に、まず「格好」が目に飛び込んできます。
しかもウェアは、色やデザインを自由に選べる分、代えがきかない自己表現の部分でもあります。だからこそ、一番最初に欲しくなるのだと思います。
ウェアを購入する時の注意点

ただし、ウェアのサイズ選びは実はかなり重要です。私自身、これで痛い目を見ました。身長170cm、当時体重62kgぐらいだったのに、メルカリで買ったのはジャケットSサイズ、パンツMサイズ。今思うとジャストすぎるサイズでした。
ジャケットは肘が曲がりはするものの窮屈で、袖も少し短く、滑走中は雪の侵入を防ぐために袖のマジックテープをきつく巻いていました。パンツはしゃがむと際どいところまで見えそうになります。誰にも相談せず、浅い知識のまま買ってしまった結果です。
そもそも、私はこういった冬用の厚着を着て動き回ること自体の経験がありませんでした。それが、サイズ選びを間違えた一番の原因だったんだと思います。

一般的には、ミドルレイヤーを重ね着する前提で、普段のアウターと同じかワンサイズ大きめを選ぶのが基本とされています。最近の流行りとして(いつまで続くかは分かりませんが)、かなり大きめのシルエットも人気です。上半身は少し大きめ、下半身はそれよりさらに大きめを選んで、裾を絞って履くスタイルもよく見かけます。ただしこれは滑り方や好みの格好にもよるので一概には言えず、自分がしたい格好をするのが一番だと思います。
🧥 ウェアのサイズ選びで確認したい3つのポイント

- ✅ブランドごとにサイズ感がバラバラなので、口コミや着用画像で必ず確認する
- ✅試着している人の身長・体重を自分と照らし合わせるのが一番早い(見つからない時は複数の着用画像を参考に)
- ✅細身のブランドは、サイズを上げても細身のシルエット自体は大きく変わらない点に注意

できるなら、試着時に店員さんや知見がある経験者にアドバイスをもらうのも1つの手です。ただし、そのアドバイスが必ずしも正解とは限りません。すべて鵜呑みにせず、1つの意見として参考にする程度の温度感で取り入れることをおすすめします。なぜなら、経験者や店員であっても、すべてが合っているとは限らないからです。最後は自分でよく考えて決めて下さい。
ここでの数字やサイズ感は、あくまで目安です。実際に着てみないと分からない部分も大きいので、可能であれば試着してから購入するのが一番確実です。
🏂 板とバインディングは同率2位。正直に言うと「イキれる」から

次にテンションが上がるのは、板とバインディングです(バインディングは、ブーツと板を固定する金具のこと)。正直、この2つはどちらが上ということもなく、私の中ではほぼ同率です。
板の魅力はトップシート(板の表面)やソール(板の裏側・滑走面)のデザイン。それに、その板を持つことで「技の完成度が上がった気がする」という感覚もありますが、結局のところ大きいのは見た目の部分です。バインディングの魅力は、ハイバック(ふくらはぎを支える背もたれ状のパーツ)のデザインです。かかとの後ろに立つパーツなので地味に見えて、実はかなり目立ちます。
正直に言うと、板とバインディングを新調すると所有感が上がって、ちょっと「イキれる」んです。言い方は悪いですが、そこまで滑りが上手くなくても、道具の見た目だけで上手そうに見せられる部分は確かにあると思います。もちろん、私自身もその一人です。
板とバインディングを優先すると、見た目の所有感だけでなく機能面のメリットも大きくなります。滑りが楽になり、やりたかった技がやりやすくなり、さらに技の完成度やスタイル(見た目)の向上も狙えます。ここで初めて、板・バインディングは「欲しいアイテム」から、滑りを支える「ギア(装備)」としての側面を見せ始めます。この2つは、シーソーで言うところのちょうどバランスの取れたアイテムです。
私がこれまで乗ってきた板は、BURTON、CAPITA、SALOMON、GT SNOWBOARD、FNTCです。この中で「イキれる度」が飛び抜けていたのは、CAPITAのDOA(Defenders of Awesome)と、GT SNOWBOARDのBUFFの2枚でした。DOAはCAPITAで一番売れている看板モデル、BUFFはGTのラインナップで唯一のダブルキャンバー(板の反り方の種類の一つ)。どちらも、そのブランドの「顔」と言っていい板です。

CAPITAは、乗っているだけで少しワルっぽく見える板です。これは私の勝手な印象ではなく、ブランド自身がそういう世界観を打ち出しています。グラフィックにはスカルや宇宙人といったカウンターカルチャーのモチーフが並び、正規取扱店の解説でも「大胆で挑発的」「反骨精神が若者の心に響く」と紹介されているほどです。バンドTシャツを着ていると、それだけで「そっち側の人」に見えるのと同じです。

CAPITAは2000年創業のブランドで、2013年には国母和宏選手と契約、2018年の平昌五輪ではライダーが銅メダルを獲得するなど、着実に実績を積み重ねてきました。

GT SNOWBOARDは、グラトリ(グラウンドトリック=平地や緩斜面で行う技の略称)好きの間では代名詞のような板です。ブランド名がそのまま「GROUNDTRICK SNOWBOARDS」で、グラトリ専用をうたう数少ないブランドの一つ。グラトリの人気ライダーがおすすめの板を挙げると、必ずと言っていいほど名前が出てきます。持っているだけで「この人はグラトリをやる人だ」と見てもらえる。グラトリボードとしては、これ以上ないくらいイキれます。

実際、ライダー推薦のグラトリ板ランキングでは、全6本中4位にランクインしています。
なぜわざわざ代表的な板ばかり選ぶのか。理由は2つあります。①周りの意見と自分の感覚を照らし合わせる「答え合わせ」がしたいから、②ハズレを引きたくないという根底の部分があるからです。
①については、周りの意見を知った上で、自分が乗った時に同じ感覚になるのか、違いが分かるのか、慣れていって楽しいと思えるのか。それを自分の体で確かめたい部分が大きいです。

②については、板は高額なので、「これはいらないから他のにしよう」とは簡単にはなりません。だからこそ、納得するまで乗って、人に説明できるレベルまで乗り心地を習得したい。実際、DOAは初代から数えて4枚乗り継いでいます。初代は3シーズン乗って売却し、2代目は3年乗ってテール(板の後ろ側の端)が割れるまで使い、3代目は冬用として2シーズン使った後、今はオフトレ(雪のない時期の練習)用として手元に残しています。BUFFは今も現役の冬用です。
🥾 一番地味だけど、実は一番大事なブーツ

そして最後に回されがちなのがブーツです。見た目の変化が一番地味で、正直テンションは上がりにくいアイテムです。
でも実際にお金をかけるべき優先順位で言うと、ブーツが一番だと思っています。理由は単純で、ブーツだけは自分の足に合っていないと、滑りそのものが成立しないからです。板やウェアはサイズさえ合えば基本的に誰が使っても機能しますが、ブーツはフィット感が命で、換えのきかない部分です。
ブーツがなぜそこまで重要なのかというと、スノーボードは足でバランスを取りながら行うスポーツ(遊び)だからです。それなのにブーツが合っていない状態というのは、大きすぎる靴を履いたまま片足立ちでバランスを取ろうとするようなものです。
しかも、足に合わないブーツだと足が痛くなるおそれがありますし、そんな状態でバランスを上手く取るのはかなり難しくなるので、板を操作する難しさ以上の難しさが発生します。
あとは単純に、そんな状態では上手くなりません。上手くならなければそのうち楽しくなくなりますし、スノーボード自体を嫌いになるきっかけにもなります。
よって、ブーツは換えのきかない自分オリジナルのものを使うようにすることを強くおすすめします。
では、最初の一足をどう選ぶか。私の答えは「はじめは新品。詳しくなってからなら中古もあり」です。理由はシンプルで、始めたばかりの頃はブーツを買う知識がないからです。中古でサイズや状態を見極めるのは、知識がついてからの話です。
本音を言うと、ブランドはBURTONかSALOMONをおすすめします。どちらもいろいろなスポーツ用品店で扱っていて、私自身、商品の安定感は抜群だと思っています。ショップの解説でも、BURTONは「どの価格帯でも耐久力・フィット感・扱いやすさが一歩先」「初めてブーツを履く人でも簡単に高いフィット感が得られる」と評されています。

ちなみに、ブーツの締め方には紐・クイックレース(紐の先端を引くだけで締まる方式)・BOA(ダイヤル式)・ハイブリッド(上部はBOA、足首から下は紐で締める、2つの方式を組み合わせたタイプ)の4方式があります。どれが良い悪いではなく好みの問題ですが、初めての一足ならクイックレースかBOAが選びやすいと思います。
紐をあまりおすすめしないのは、しっかり締めるのにある程度の力が必要で、締め方が緩いと滑走中にほどけてしまうこともあるからです。その点、クイックレースやBOAは誰でも均等な力で締められるので、扱いに慣れていない最初の一足には向いています。

始めたばかりで今後も続けるか分からない、しかも他にもいろいろ買いそろえないといけない。そういう状況なら、ブーツは一旦ここで終わらせてほしいと思います。その先でお金に余裕ができて、欲しいモデルが出てきたら買い替えればいい。それで十分です。買い替えの目安としては、4万円以上の高価格帯モデルで約100日分の走行に耐えられるとされ、多くの人は3シーズンほどで買い替えているようです。
💡 ブーツが一番重要な理由
✅ スノーボードは足でバランスを取るスポーツ→ブーツの合う・合わないが直結します
✅ 合わないと足が痛くなり、バランスも取りづらくなります
✅ 上達が遅れて、楽しくなくなる原因にもなります
✅ だから換えのきかない「自分のブーツ」を、まずは新品で用意するのがおすすめです
📸 優先順位は人によって変わる

ここまでは私自身の感覚での順番ですが、この優先順位は人によってかなり変わると思います。
■ スポーツ重視タイプ
板の優先度がもっと上がってくるはずです。
■ 見た目重視タイプ
写真をたくさん撮りたい人ほど、ウェアやビーニー、ゴーグルといった「写りの良さ」に関わるアイテムの優先度が上がる印象があります。
はっきり言ってしまうと、上手い下手に関係なく、初心者はやはり見た目重視になると思います。理由は単純で、板の良し悪しが分からないからです。板の特徴や乗り方を説明されても、その板と他の板の違いがそもそも分からないし、乗り分けるなんてもっと無理です。料理を始めたばかりの人に包丁の鋼材の違いを説明しても選べないのと同じで、その段階ではアドバイスにもなりません。
そして私は、見た目重視で全然いいと思っています。初めて行ったスノーボードでいろいろな写真を撮って、その思い出が楽しかったら「また来たい」と思える。続くきっかけとしては、それで十分です。
逆に板重視になるのは、かなり後です。板を自分で操作できるようになって、いろいろな地形やコースに挑戦できるようになると、「何か新しいことができないか」と思い始めます。その頃になって初めて、板の選択肢が出てきます。今乗っている板と違う硬さや乗り心地の板、違う滑りをしたい時にそれに合った板、というふうに選ぶようになります。
どちらが正解というわけではなく、自分が何にテンションが上がるタイプなのかを分かった上で予算を配分すると、後悔が少なくなると思います。
🛍️ 新品を買うか、メルカリで探すか

道具を揃える時、新品にするかメルカリなどの中古で探すかも悩みどころです。
私自身の話をすると、新品で買ったのは、一番最初にそろえたBURTONの一式だけです。今から12〜13年前で、メルカリはまだ始まったばかりでした。
ただ、新品を選んだのは「他に選択肢がなかったから」だけではありません。続ける前提で買うと決めていたこと、そして板やバインディングの性能のせいで上達が妨げられるのが嫌だったからです。それ以降、板を新品で買ったことはありません。
その後の板は、すべてメルカリです。DOAは4枚とも、BUFFもメルカリで買いました。初代のDOAは28,000円で3年ほど、2代目は44,000円でテールが割れるまで3年使い切りました。今の冬用のBUFFは75,000円。中古でも、選び方次第でこれだけ長く付き合えます。
ただ、当たりばかりではありません。4枚目のDOAはオフトレ用に24,800円で買いましたが、届いてみるとエッジ(板の縁の金属部分)のサビが、写真で見ていた印象よりずっと進んでいました。出品写真だけでは分からない部分がある、というのを身をもって知った買い物です。結局デザインも好みに合わず、約2年後に15,000円で手放しました。手数料を引いた手取りは13,500円。差し引き1万円ちょっとの授業料です。

新品は、お店によっては早めに買った方が安く買える場合があります。シーズン前の早期予約や型落ちセールなど、タイミング次第で価格が変わってきます。
メルカリは、冬が近づくにつれて競争が激しくなっている感覚があります。良い商品やお値打ちの商品からどんどん売れていくので、過去に自分がいいねをしていたアイテムが、気づいたら売り切れていた、ということが最近ちらほら出てきています。「いいな」と思ったら、悩んでいる時間が一番のリスクです。
🥽 ブーツに次いで重要なゴーグル

実は、ゴーグルもブーツに次いで重要だと思っています。理由は視界です。雪面の凹凸がきれいに見えないと、単純に滑っていて楽しくありません。スノーボードが「別のスポーツ」と言えるくらい難易度が上がります。霧の中で自転車に乗るようなもの、と言えば伝わるでしょうか。
地形が見えないと、足の感覚だけを頼りに滑ることになり、板の操作もままならない状態で気をつけることが一気に増えます。転倒や衝突のリスクにも直結するので、視界の確保は安全面でも重要です。
有名ブランドの良いレンズ、例えばオークリーのプリズムレンズやスミスのクロマポップ、アノンのパーシーブ、ドラゴンのルマレンズだと雪の凹凸が見えやすくなり、どこで踏んでどこで抜くかを判断しやすくなります。ただ、こうした投資が生きるのは長く続ける前提があってこそなので、そこは注意が必要です。
この価格帯のゴーグルは一定の需要があるので、傷がなければ購入金額からそこまで値下がりせずに売却できることが多いです。購入前に、同じモデルがメルカリでいくらぐらいで売られているかを確認しておくと、万が一合わなかった時の値下がり幅が小さいモデルを選べるので、そこも選ぶコツになると思います。
💡 ゴーグルは視界の質で選ぶ
✅ 雪面の凹凸が見えないと、安全面でもリスクになります
✅ プリズムレンズなどの高性能レンズは値段以上の価値があります
✅ 値下がりしにくいので、購入前にメルカリ相場を確認しておくと安心です
❓ よくある質問
Q. 最初はレンタルでもいいですか?
A. 本当はブーツから新品で揃えるのが理想ですが、ウェアを優先すると予算的にブーツまで手が回らないこともあると思います。そうなったらレンタルでも構いません。ただし、続けていくならブーツは絶対に必要になります。中古の見極め方がまだ分からないうちは、無理せず新品を選ぶのがおすすめです。
Q. 型落ちモデルを狙うのはアリですか?
A. アリだと思います。型落ちは前年モデルとの性能差がほとんどない場合も多く、新品でもかなり安く買えることがあります。
Q. 兄弟や友人と道具を共有するのはアリですか?
A. 板やウェアは共有してもそこまで支障はないと思いますが、ブーツだけはやめた方がいいと思います。足の形は人それぞれなので、フィット感が合わないとバランスが取りづらくなり、本文で書いたとおり、合わないブーツの怖さがそのまま起きてしまうからです。
✅ まとめ
欲しい物から買うのも、スノボを楽しむモチベーションとしては悪いことではないと思います。ただ、限られた予算の中で失敗を減らしたいなら、「欲しくなる順」と「本当に重要な順」が逆になっていることだけは、頭の片隅に置いておいて損はないと思います。
