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冬に車中泊を始める前、私が一番心配していたのは寒さでした。大げさではなく「凍えて動けなくなったらどうしよう」くらいのことは本気で考えていました。
ところが4年ほど続けてみて、実際に手を焼いているのは寒さではありませんでした。朝起きたら窓の内側が凍っていたり、給油しようと思ったらガソリンスタンドが軒並み閉まっていたり、車が雪に埋まっていたり。どれも、寝袋や布団を厚くしても解決しない種類の問題です。
この記事では、寝床づくりではなく「寝たあと」と「車の外」で起きることをまとめます。
💡 この記事でわかること
冬の車中泊で実際につまずくこと(ガソリン・結露・窓の凍結・除雪・雪に埋まる朝・バッテリー)と、その対処がわかります。JAFの公式解説で裏を取ったうえで、私がまだ解決できていない問題も正直に書いています。
🚗 この記事の結論
冬の車中泊でつまずくのは、寒さそのものより「朝」です。寒さは布団と首まわりの防寒でどうにかなりますが、結露・凍結・雪・ガソリンは装備を増やしても解決しません。中でも効くのはガソリンを切らさないことです。寒ければ暖房を入れればいいだけなので、燃料さえあればたいていのことは何とかなります。
先に断っておくと、私は暑がりです。防寒の感じ方は体質でかなり変わるので、寒がりの方は、私よりも装備を厚めに見積もってください。
⛽ ガソリンさえ入っていれば、たいていなんとかなります

私が一番気をつけているのは、実は寒さ対策ではなく給油です。
スノーボードに行く先はどうしても山間部の地方になるのですが、地方のガソリンスタンドは閉店時間が早いことがあります。都市部の感覚で「そのうち入れよう」と走っていると、開いている店が見つからないまま夜になります。だから道中でスタンドを見つけたら、まだ半分残っていても早めに入れるようにしています。
それに、山間部はそもそもガソリンスタンドの店舗数自体が少ないことにも注意が必要です。街中の感覚で「もう少し先の、安いセルフのお店にしよう」とスルーしたら、その先しばらくガソリンスタンドが見当たらない、ということを何度も経験しました。
⛽ 山間部ならではの注意点
- 地方のガソリンスタンドは、閉店時間が早いことがある
- 山間部はそもそも、ガソリンスタンドの店舗数自体が少ない
理由はシンプルで、寒さはガソリンさえあれば暖房を入れれば解決するからです。逆にガソリンが尽きると移動そのものができなくなり、その日の予定が全部「給油してから」に書き換わってしまいます。車の調子が良くて燃料さえ入っていれば、たいていの不具合は何とかなる。これが4年やって一番強く思っていることです。
🅿️ 冬ならではの場所選び|除雪車のあとを探す

冬に停める場所を選ぶとき、私は除雪車の作業がすでに終わっている位置を探します。まだ作業が残っている場所に停めてしまうと、当然そこはあとで除雪されます。
ただ、これには誤算がありました。除雪の作業は夜通し続くことがあります。重機の音とアイドリングが一晩中となりで鳴っていると、さすがに眠れません。これまでに騒音とアイドリングで、計2回、寝る場所を移動しています。
スキー場の駐車場に停めることもありますが、①トイレまで距離があることが多い ②傾斜になっていることがよくあるという2点がネックです。傾いた場所で寝ると、朝までに体がずり落ちて余計に疲れます。平らなら停めますが、結果として道の駅に停める頻度の方が高くなっています。
🅿️ スキー場の駐車場がネックな理由
- ①トイレまで距離があることが多い
- ②傾斜になっていることがよくある
🧣 寝るときの装備は、むしろ減りました

デビューした冬に気合いを入れて買い揃えた装備は、正直なところその大半を今は使っていません。今の私の寝る格好は、ひとことで言うと「首だけ温めて、あとは比較的薄着」です。
着込みすぎると、暑くて汗をかいて、かえって体を冷やしてしまいます。ここは体質の影響が大きい部分なので、寒がりの方はこの限りではありません。寝床の作り方や、寝具そのものの話は、この記事の最後にリンクを置いておきます。
🥶 夜中に寒くて目が覚めたら、この順番で動きます

それでも寒くて目が覚める夜はあります。そのとき私が動く順番は決まっています。
- ①まず布団にくるまって、ひたすら手に息を吹きかけて粘る。要するに我慢です。
- ②それでも寝付けなければ、エンジンをかけて暖房をマックスにする。
- ③服を着るのは、いちばん最後です。
順番が独特に見えるかもしれませんが、理由があります。冷え切った服を着ると、その服に体温を持っていかれるからです。冷たい缶を素手で握っていると手がどんどん冷えていく、あれと同じです。だったら車内が暖まるのを待った方が早い、というのが私の結論です。
例外は、どうしようもなく寒い夜です。そのときだけは迷わず服・靴下・手袋を身につけて、とにかく肌を露出しないようにします。

ただし、エンジンをかけて暖房を使う前に、必ずマフラー周りを確認してください。JAFの実験では、ボンネットまで雪に埋もれた状態でエンジンをかけ続けると、16分でCO(一酸化炭素)濃度400ppm、その後6分で1,000ppm(約3時間で致死とされる濃度)まで達しています。
逆にマフラー周辺だけ除雪しておけば、車内のCO濃度はほとんど上がらないという結果も出ています。窓を数センチ開けるだけでは不十分で、マフラー周辺の除雪が最も効果的な対策とのことです。
正直に言うと、雪が降り続く夜にマフラー周りを除雪する習慣は、今のところありません。これまでに雪をどかしたのは2回ほどですが、それも一酸化炭素対策ではなく、翌朝車が出せなくなるのを避けるためでした。JAFの実験では車体下の隙間からも排気ガスが入り込むことが確認されているので、マフラー周りだけ除雪すれば安全というわけでもありません。今のところ暖房が欲しくなるほど寒い夜が多くないので大きな問題にはなっていませんが、正直なところ、ここはまだ徹底できていない部分です。
🌅 朝|ここからが本番です

ここまでが、寝るまでの話です。ただ、本当に手を焼くのは、寝ている間ではありませんでした。厄介ごとは、たいてい朝に持ち越されます。ここからは、朝起きてから走り出すまでの話です。
💧 車内が濡れている

正直に書きます。結露が一番やっかいで、今も解決できていません。
朝、窓の内側が凍っていたこともあります。急いでいなければ、そのまま暖房を入れて溶かします。ただ、デフロスター(フロントガラスに集中して送風する機能)とエアコンを入れても、車内の湿気そのものが全然抜けていかない感じがずっとありました。
ひとつ確かなのは、車中泊の結露は、走行中の曇りとは別物だということです。寝ている間じゅう、呼吸で水蒸気を出し続けているので、朝の時点で車内はすでに水浸しになっています。冬の朝、寝室の窓ガラスが内側から曇っているのと同じです。そこから空調で追いかけるより、そもそも溜めない(=寝ている間に少しでも空気を入れ替える)方が筋が良いはずです。
とはいえ、これは頭で考えているだけで、私自身はまだ実践できていません。今シーズン試して、結果をこの記事に追記します。
なお、走行中にフロントガラスが曇って前が見えなくなるのは、車中泊の結露とはまったく別の現象です。原因も、やるべき対処も違います。こちらは実際に危ない目に遭ったので、別の記事にまとめました。
🧊 ガラスが凍っている|お湯だけは絶対にやめる

これは私の失敗談ではなく、やらないように気をつけていることです。凍ったフロントガラスにお湯をかけてはいけません。JAFによると、温度差でガラスが割れる恐れがあるうえ、溶けた水が寒さですぐに再凍結してしまうそうです。急いでいる朝ほどやりたくなる方法ですが、いちばん高くつきます。

予防としてJAFが挙げているのは、駐車するときにワイパーを立てておくことです。ワイパーが凍ってガラスに張り付くのを防げます。解氷スプレーがあれば1分ほどで溶かせるとのことなので、冬の遠征では積んでおく価値があります。
ちなみに私は、リモコンエンジンスターター(部屋の中や車の外から、離れた場所でエンジンをかけられる装置)で出発の30分ほど前にエンジンをかけ、暖房で溶かしています。
⛏️ 車が雪に埋まっている

朝起きたら雪が積もって車が埋まっていた経験はあります。ただ、出られなくなったことは一度もありません。
やることは単純で、組み立て式のスコップでタイヤの周りの雪を掻き出すだけです。かさばらないので、冬の間は積みっぱなしにしています。
私のプロボックスはフルタイム4WDで、冬はスタッドレス(ヨコハマのiceGUARD)に履き替えています。この組み合わせなら、スキー場に行くために通る一般的な坂道は登れると思っています。ただ、スタッドレスでもスピードを出しすぎれば滑るときは滑ります。これは身をもって分かっているつもりです。
❄️ 車体に積もった雪は、全部落としてから走ります
スコップで掻き出すのは足元だけです。車の上に積もった雪は、ブラシとスクレーパー(凍りついた氷を削り取る硬いヘラ)が一体になった雪かきで落とします。冬の間は、スコップと一緒にこれも積みっぱなしにしています。
落とすのは車全体です。ひと手間に見えますが、屋根の雪を残したまま走り出すのがいちばん危険なので、ここは省きません。
✅ 雪を落とす場所チェックリスト
- ✅ 屋根
- ✅ ボンネット
- ✅ フロントガラス
- ✅ すべての窓
- ✅ ライト
- ✅ ミラー
❄️ なぜ車全体の雪を落とすのか
屋根に雪を残したままブレーキを踏むと、雪の塊が前へ滑り落ちてフロントガラスを一気に覆います。走行中に視界がゼロになるので、これがいちばん怖い場面です。走りながら落ちた雪は、後続車や歩行者にとっても危険になります。
ライトが雪をかぶると、その分だけ光量が落ちます。とくにLEDのヘッドライトは発熱が少ないぶん、積もった雪が自然には溶けにくいので注意が必要です。LED電球が点けっぱなしでも触れるくらいしか熱くならないのと同じです。
ナンバープレートも、走行中に着雪するのは避けられませんが、出発前に隠れているのに気づいたなら払っておきます。
私が使っているのは、Amazonで買った伸縮式のスノーブラシです。ブラシと氷用のスクレーパーが一体になっていて、柄が78〜100cmまで伸びるので屋根の真ん中まで手が届きます。買ったのは2023年11月、当時792円でした。安いものですが、冬のあいだ車に積みっぱなしにして何度も使っています。

🥾 足元も、スニーカーだと滑ります

ここまでの作業は、どれも車の外に立ってやることです。そこで意外と効いてくるのが足元でした。雪が踏み固められた路面は、想像よりずっと硬くなっています。転ぶと、雪だからと油断していた分だけ強く体を打ちます。

同じ雪でも、状態によって滑りやすさはまるで違います。降ったばかりのふかふかの新雪は、実はいちばん滑りにくい状態です。靴の裏が雪に食い込んでくれるからです。
危ないのはその先です。人や車に何度も踏まれた雪は圧雪になり、さらに磨かれると氷に近づいていきます。そしていちばん滑るのは、気温が0℃前後のとき。氷の表面に薄い水の膜ができて、摩擦がほとんどなくなるためです。濡れた浴室のタイルの上で足を滑らせる、あれと同じです。気温が下がりきった真冬日より、溶けかけの日のほうが危ないというのは、覚えておいて損がないと思います。
私がよく行くスキー場の入口も、この状態になりやすい場所です。スニーカーで何度も滑ってコケかけました。知り合いは同じ場所で実際に転んで、おしりに青あざを作っています。しばらく消えず、その間ずっと痛かったそうです。
それで買ったのが、SOREL(ソレル)のバクストン レース ウォータープルーフという防水ブーツです。新品ではなく、メルカリで16,055円(送料込み)の中古を選びました。

ちなみにSORELのスノーブーツは、ゲレンデでもよく見かけます。とくに目にするのは、茶色の革に白いボアが付いたキャリブー(CARIBOU)という定番モデルです。雪の上で選ばれ続けているブランドだという安心感は、そこで感じていました。
ただ、私が選んだのは同じSORELでもバクストンのほうです。理由は3つあります。ひとつは私の管理がずさんなこと。足首まわりをぐるっと覆う、あのモコモコの白いファーの部分が汚れてきたときに、見た目がみっともなくなるのが嫌でした。ふたつめは単純に、人と被るのもどうかなと思ったからです。
そして3つ目が、車中泊ならではの事情です。キャリブーのようなハイカットのブーツを、ファーを潰さずきれいな状態のまま車内に積んでおくのは、プロボックスの収納ではかなり難しいと感じました。私は後部座席の足元に置いていて、外に出るときに雪が積もっていてスニーカーでは厳しい、という場面で取り出して履いています。こういう積み方をしている以上、あのファーが汚れるのは避けられないと思っています。
逆に言えば、スキー場の近くに住んでいて車に積みっぱなしにしなくていい方や、収納に余裕のある車に乗っている方なら、キャリブーも十分に選択肢に入ると思います。私の場合は、狭い車内で一冬ずっと積んでおく前提だったので、この形になりました。
🥾 スノーブーツに履き替えて変わったこと
いちばん大きいのは、やはり滑りにくさです。正直に書くと完全に滑らなくなるわけではありません。ただ、普段のスニーカーと比べると足の裏の安心感がまるで違います。
次に、靴の中に雪が入ってこないこと。積雪が10cmほどある場所を歩くと、スニーカーはハイカットのバスケットシューズ型でも中に雪が入ってきますが、ブーツならその心配がありません。
そして単純に温かい。これは冬の駐車場を歩く時間が長いほど効いてきます。
正直なところ、脱ぎ履きは面倒です。履かない時期は場所を取るので、保管も含めて手間だと感じています。それでも大雪の日だけは、いきなり頼もしい相棒に変わります。
私が履いているバクストンは中古で手に入れたものですが、新品で探すなら同じモデルがこちらです。

そして、さきほど書いたキャリブーのほうです。私は使っていませんが、ゲレンデでいちばんよく見かける定番なので、参考までに置いておきます。
ちなみにキャリブーを履いている人は、上はダウン、下はスウェットのような軽い格好という組み合わせが多い印象です。ウェアに着替える前の、寝起きに近い服装のまま足元だけしっかりしている。その姿はゲレンデで自然と目に入ります。その格好自体も含めて雪の場所を楽しんでいる人も、けっこういるのだと思います。

🔋 それでも、エンジンがかからなかったことは一度もない

寒い朝にエンジンがかからない、というトラブルにはまだ一度も遭っていません。

実はこの記事で一番大事な話です。私はスノーボードをするために、夜のうちに山間部へ移動してそのまま車中泊をすることがよくあります。山間部は車通りの少ない道路や、スマホの電波が届かない圏外に時折遭遇する場所です。そんな場所でバッテリーが上がってエンジンがかからなくなると、移動ができない・暖房が使えず暖も取れない・(モバイルバッテリーがなければ)スマホの充電もできないという状態に一気に陥ります。
⚠️ バッテリーが上がると起きること
- 移動ができない
- 暖房が使えず、暖も取れない
- (モバイルバッテリーがなければ)スマホの充電もできない
真冬の車内で暖を取れない時間が続けば、それは単なる不便では済まず、低体温症などの安全上のリスクにもなり得ます。
ただし正直に言うと、ジャンプスターター(バッテリーが上がった車のエンジンをかけるための携帯バッテリー)やブースターケーブル(ほかの車のバッテリーとつないでエンジンをかけるケーブル)は積んでいません。今のところ頼っているのは車検での点検だけです。プロボックスの車検は3月なので、そこから冬(12月頃)まで8ヶ月ほど間が空きます。その間のバッテリーの状態は、正直保証されていません。ジャンプスターターは1万円前後(12V車用・ピーク電流1000A前後のモデル)から買えるので、この記事を書きながら購入を検討しています。
理由は車検の頻度です。プロボックスは4ナンバーの貨物車なので毎年車検があり、そのたびにバッテリーも点検してもらっています。弱ってきたと言われたタイミングで交換しているので、結果的に寿命ぎりぎりのバッテリーで冬を迎えることがありません。毎年車検は正直めんどうですが、この一点だけは得をしていると思います。
❓ よくある質問(Q&A)
Q. ウォッシャー液は、冬用に替えておく必要がありますか?
A. 替えておいた方がいいです。通常のウォッシャー液や水は冬に凍ってしまうため、JAFは寒冷地用のウォッシャー液に交換するよう案内しています。凍ると出ないだけでなく、融雪剤で汚れた前が見えないまま走ることになるので、雪道では想像以上に困ります。
Q. 冬の車中泊は、だいたい何月から何月くらいの話ですか?
A. 私の場合は12月頃から4月頃までです。スタッドレスに履き替えるのが12月頃、夏タイヤに戻すのが雪のシーズンが終わる4月頃なので、その期間がそのまま冬の車中泊の期間になっています。
Q. 結露で濡れた窓のまま、朝すぐ走り出しても大丈夫ですか?
A. やめた方がいいです。視界が確保できないまま発進するのは単純に危険です。デフロスターを使い、空調を外気導入(外の乾いた空気を取り込む設定)にしてエアコン(A/C)も入れた状態で、完全に見えるようになってから動き出してください。本文に書いたとおり私は湿気そのものはなかなか抜けませんが、暖房を入れて待てば視界は戻ります。急いでいる朝ほど、ここを飛ばしたくなるので注意が必要です。
📌 まとめ|冬の車中泊で困ったこと

冬の車中泊は、始める前に想像していたほど「寒さとの戦い」ではありませんでした。寒さは布団と首まわりでどうにかなります。実際に困るのは、朝に持ち越される問題の方です。
結露はいまだに解決できていませんし、除雪の音で場所を移したこともあります。それでも続けられているのは、ガソリンさえ入っていれば、たいていのことは何とかなると分かったからです。困ったら暖房を入れて、明るくなるのを待てばいい。そう思えるようになってから、冬の遠征がだいぶ気楽になりました。

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