
🏂 この記事でわかること
- プロボックス4WDの雪道での実力(実体験)
- 下り坂では4WDは関係ない(誤解しやすい注意点)
- 2WD(前の愛車)から4WDに乗り換えて感じた安心感/チェーンへの正直な考え
- 冬の車として見たプロボックスの良し悪し(視界・ヒーター・荷室など)
- 前夜移動+車中泊で朝イチから滑るスタイル
私は冬になると、ほぼ毎週のように雪山へスノボに通っています。相棒はプロボックスの4WD(GL)。この記事では、何年も雪道を走ってきた実体験をもとに、プロボックスが冬の遠征車としてどうなのかを、良いところも不満なところも正直に書きます。
雪山に通う私の使い方(頻度・距離)
私は3勤3休(3日働いて3日休む交代勤務)で、用事がない限りは休みのたびにスキー場へ向かっています。
- 昼勤明け:夜8時頃に帰宅 → そこから準備して出発
- 夜勤明け:朝8時に帰宅 → 一度寝て、夕方起きてから準備して出発
距離は、よく行く近場のスキー場で片道150km、遠めで250km、年に1回行く遠征だと350〜400kmほど。時間でイメージしたい方向けに、おおよその所要時間を下のグラフにまとめました。
多くの場合は前夜のうちに移動してスキー場近くで車中泊し、朝起きてすぐ滑り出すスタイルです。朝3〜4時発で長時間運転してから滑るより、疲れが全然違います。
4WDの実力(雪道での実感)
結論から言うと、雪道では4WDの安心感が大きいです。4WDは4輪すべてに駆動力(タイヤを回す力)が伝わるので、一部のタイヤが凍結路で滑っても、残りのタイヤのグリップを使えて空転しにくい。だから低速でもしっかり登ってくれます。圧雪やちょっとした登り坂でも、ジリジリと前に進んでくれる頼もしさがあります。
下り坂では4WDは関係ない(誤解しやすいポイント)
ここはぜひ知っておいてほしいのですが、下り坂では4WDの性能は関係ありません。「4WDだから下りも安心」と思いがちですが、これは誤解です。
4WDが活きるのは、発進や登り坂など「タイヤに駆動力(前に進む力)を伝える」場面です。4輪すべてで路面を蹴るので、雪道でも空転しにくく力強く進めます。一方で、「止まる」「曲がる」はタイヤのグリップ次第で、これは2WDでも4WDでも変わりません。ブレーキはどんな車でも4輪に効くからです。
そして下り坂は、エンジンの力ではなく重力で勝手に進んでいく状況。つまり駆動力は要らず、頼れるのはタイヤのグリップとブレーキだけになります。だから路面が滑れば、4WDでもあっさり滑ってしまうのです。
私が下り坂で気をつけているのは、次のようなことです。
- とにかく減速:自分が制御できるスピードまで、早めに落とす
- ポンピングブレーキ:ブレーキを一度に強く踏まず、数回に分けて小刻みに踏む。一気に踏むとタイヤがロック(滑走)して、かえって止まらなくなるからです
- 車間を十二分に空ける:前の車との距離を、いつもよりかなり多めにとる
- 後ろに詰められたら、潔く先に行かせる:後続車に車間を詰められたら、ハザードを焚いて道を譲る。無理に相手のペースに合わせない
そのほか、雪道で気をつけていること(実体験)
「急」のつく操作をしない
発進・加速・ハンドル・ブレーキ——「急」のつく操作はとにかく避けます。ゆっくり、じわっと、が基本です。
轍(わだち)にハンドルを取られる
積雪の多い雪道では、轍(わだち=タイヤが通ってできた跡のくぼみ)にタイヤが吸い込まれるような感覚になり、ハンドルが勝手に振れてしまいます。制御が効きにくいのが”当たり前”の状態になるので、いつもよりかなり遅いスピードで対応する必要があります。実際、道路脇のガードレールにぶつかりそうになり、直前で止まって大惨事を免れた経験もあります。
怖いのは、その遅いスピードにも次第に慣れて、自分では意識しないうちにスピードが上がっていること。轍を走っている時はかなりの悪路なので、スピードメーターを見る回数も時間も普段より圧倒的に減り、今の運転状況を把握できていないことがほとんどです(冷静な運転がほぼ不可能)。だからこそ、意識して「遅すぎるくらい」で走るようにしています。
凍りやすい場所を覚えておく(橋・トンネル出入口・日陰)
アイスバーン(路面が氷になった状態)は、見た目で危ないと分かるぶん、自然と安全運転の意識が働くので、まだマシなほうです。本当に注意しているのは、橋の上・トンネルの出入口・日陰です。
橋の上やトンネルの出入口では、実際に滑って車体が横を向きそうになった経験があり、あの時は血の気が引きました。二度と忘れません。日陰がやっかいなのは、「今は日陰」なら見て分かりますが、「少し前まで日陰だった」場所は見た目で分からないこと。気づかないうちに凍っていることがあります。
もうひとつの目印が、道路脇や橋に置かれた「凍結防止剤(塩化カルシウムなど)」の袋です。凍結しやすい橋・坂・カーブに置かれることが多く、袋がある場所は「それだけ滑りやすい場所」のサイン。意識してスピードを落とすようにしています。
※塩化カルシウム(塩カル)は、氷を溶かしたり凍結を防いだりする凍結防止剤です。水に溶けるときの作用で路面が凍りにくくなります(スキー場のゲレンデで雪面を固める「硫安(硫酸アンモニウム)」とは別物です)。
とくに凍りやすいのは、橋の上(下からも冷えるため凍りやすい)、トンネルの出入口、日陰(とくに「少し前まで日陰だった」場所)、そして道路脇に凍結防止剤の袋が置いてある所です。
遠征後は洗車をセットで(とくに下回り)
塩化カルシウムは道路の雪や氷を溶かしてくれる頼もしい味方ですが、大きなデメリットもあります。走行中に巻き上げた雪に混ざって車体に付着し、車をどんどん錆びさせるのです。これが本当にものすごい。
道路にまかれる凍結防止剤の塩化カルシウムには、いわば「2つの顔」があります。メリットは、道路の雪や氷を溶かして凍結を防いでくれること。一方でデメリットは、車体に付着すると車をどんどん錆びさせてしまうことです。
ちなみに、なぜ塩化カルシウムでこんなに錆びるのかを簡単に説明します。鉄が錆びる(酸化する)には「水分」と「酸素」が必要ですが、塩化カルシウムには、その錆を一気に加速させる性質が2つあります。
- 水分を抱え込む(潮解性):塩化カルシウムは空気中の水分まで吸い込んで、濡れた状態を保ち続けます。付着した部分はずっと湿ったまま=錆びる条件がそろい続けてしまいます。
- 塩分(塩化物イオン)が腐食を進める:塩分は電気を通しやすく、鉄の表面を守っている膜を壊して、サビの化学反応をどんどん進めてしまいます。
この2つが重なるので、ただの水よりもはるかに錆びるのが速いのです。とくに車の下回りは、巻き上げた雪と一緒に付着しやすく、しかも見えにくくて洗いにくい。だから気づかないうちに錆が進みます。下部洗車が効くのは、この付着した塩化カルシウムを早めに洗い流せるからです。
理想は、遠征先でも洗車をして塩化カルシウムを落とし切ること。ただ、それが難しければ、帰り道の途中でいいので「下部洗車(車の下回りの洗浄)」だけでもやっておくことを強くおすすめします。雪山に滑りに行くときは、洗車をワンセットと考えるくらいでちょうどいいです。錆びてからでは遅いので、ここは本当に声を大にして言いたいところです。
もし錆びてしまったら
気をつけていても、塩化カルシウムの錆は完全には防ぎきれません。もし錆びてしまったら、とにかく早めの対処がカギです。
軽い表面のサビ(赤いサビ)なら、自分でも対処できます。サビ取り剤やワイヤーブラシ・紙やすりでサビを落とし、その上から防錆スプレー(シャシーブラックなど)やタッチアップ塗料で覆って、水・酸素・塩分から守ります。サビは早ければ早いほどラクに止められます。
一方で、下回りやフレームなど、穴があくほど進行したサビは自分での対処は限界です。無理をせず、整備工場や板金屋さんに見てもらいましょう。下回りのサビは車検や走行の安全(強度)にも関わるので、放置は禁物です。
そして何より、いちばんの対策は予防です。シーズン前に下回りの防錆コーティング(アンダーコート)をしておくと、塩化カルシウムが付きにくく・落としやすくなり、結果的にサビにくくなります。
ちなみに私自身は、まだ防錆処理をしていません。正直に言うと、私の車もすでにけっこう錆びてきています。一度きちんと整備工場で診てもらおうと思っているところです。これからも雪山で車中泊を続けたいので、ここはしっかり対処したい——。診てもらったら、その結果や費用などを、この記事にあらためて追記する予定です。
そして、雪道でいちばん大事なのは「心の余裕」だと、つくづく思います。焦りやイライラが、無理な運転につながります。時間にも気持ちにもゆとりを持つこと——それが結局、いちばんの安全対策です。
チェーンは必要?(正直、まだ分かりません)
まず正直にお伝えすると、4WDのプロボックスに乗り換えてから、私自身は立ち往生をしたことがありません。前に乗っていたbB(2WD)の頃と比べると、雪道での安心感は段違いです。
雪道で身動きが取れなくなって除雪を待つ——といった「立ち往生」は、どちらかというと2WD車で心配される場面だと思います。私の4WDでは、今のところそこまで追い込まれた経験はありません。
ではチェーンは要らないのかというと、そこは私も断言できません。4WDでもどうにもならない状況ではチェーンが必要になるのかもしれませんが、私はその場面を経験していないので、正直なところ分からない、というのが本音です。だからこそ「4WDだから絶対大丈夫」と過信はしないようにしています。
タイヤの本音(スタッドレス・チェーン)
正直に書きます。私は今、スタッドレスは決まった銘柄をまだ買っておらず、チェーンも積んでいません。理由は単純で「買うきっかけが弱い」から。幸いこれまで大きく困った経験がなく、人間、強烈な出来事がないと腰が重いものです。ただ、もし一度でも立ち往生のような怖い思いをしたら、私はすぐにチェーンを買うと思います。そういう意味では、いつ買ってもおかしくない——というのが本音です。
ちなみに、夏のあいだはゴツゴツした見た目が気に入っているオープンカントリーR/Tを履いています。タイヤの話はこちらの記事に詳しく書きました。
冬の車として見たプロボックスの良し悪し
車高・最低地上高 ◎
雪道で底を擦る心配はほぼありません。車高を下げるようなカスタムをしていなければ、今の状態で問題なしです。
ヒーター・暖房の効き ◯(普通)
雪山(車中泊時)
暖房の暖まりは「早くも遅くもない、ごく普通」という感覚です。車の暖房はエンジンの熱(冷却水)を利用する仕組みなので、エンジンが温まるまでは時間がかかります。とくにプロボックスは荷室が広く、暖める空間が大きいぶん、すぐにぽかぽかとはいきません。それでも私の場合は朝起きたらすぐエンジンをかけ、暖房を最強にしてフロントガラスへ風を向けます。その間にスマホをいじったり、トイレ・歯磨き・前日に買っておいた朝食を済ませたり。そうしているうちにフロントガラスの凍結も溶け、車内も暖まっているので、暖まりのスピードを重視する使い方ではありません。
通常使い(出勤前など)
普段の冬、フロントガラスが凍結する時期は、リモコンのエンジンスターターを使っています。出かける約30分前にリモコンから電波を送り、あらかじめエンジンをかけて車内を暖め、ガラスの凍結も溶かしておくんです。
ちなみに気温がかなり低い日(だいたい−3℃あたり)は、エンジンスターターが15分で自動的に止まる設定になっているので、2回電波を送って合計30分ほど暖機することもあります。一度フロントガラスの氷を溶かしても、寒さが厳しいと溶けた水がまた凍ってしまうことがあるからです(氷点下では、解氷したあとの再凍結が起こりやすいと言われています)。
視界 △(見上げる視界で狭め)
プロボックスの視界は、どちらかというと「見上げる」タイプ。これを強く感じるのは、整備中に借りる最近の代車に乗ったときです。タントなどは見下ろし型で、左右上下も広く視界が開けている感じ。それに比べるとプロボックスは狭く感じます。乗っていれば多少は慣れますが、「広くて見下ろし型だったら楽なのにな」と思うことはあります。
ワイパー △
私の車だけかもしれませんが、ワイパーの密着性は低めに感じます。動かすと水切れがいまひとつ。ゴムの劣化もあるとは思いますが、正直あまり得意ではない印象です。
デフロスター △
デフロスターとは、フロントガラスの曇りや凍結を、風を当てて取り除く機能のことです(メーターまわりにある「扇形のガラスに矢印が向いたマーク」のボタンで操作します)。私も正直、あらためて言葉の意味を確認したので、先に簡単に補足しておきます。
そのうえでプロボックスの場合、送風口が全面ではなく部分的に分かれているようで、全面が一斉に温まるというより、温まる範囲がじわじわ広がっていく感じです。凍結を溶かすのに少し時間がかかります。
荷室 ◎(板もブーツも積みやすい)
じつは座席を倒さなくても、よほど長い板でなければそのまま積めます。私の板は150cmですが、座席を避けるように立てて積めば問題なく入ります。さらに座席を倒せば、リアハッチまで板(ボード)をまっすぐ積めます。私の場合は荷室をほぼ寝床にしているので座席は倒していて、ブーツは助手席側に置いています。これは、滑った後にアウター・インナーブーツをエアコンの足元温風で乾かすため。濡れたままだと匂いも出るし衛生的にも良くないし、何より自分が不快です。ブーツに足を通したとたん靴下が濡れて一日中その状態……車中泊で翌日も滑るとなると、生乾きは致命傷。しっかり乾かして滑りたいところです。
荷室は座席を倒して使っています。助手席側を寝床(マットレス+布団)にして、運転席側に板(ボード)や着替えを置くスタイルです。ブーツは助手席の足元に置き、エアコンの温風で乾かしています。
リアワイパーレスでも不便なし
冬は基本、リアガラスに目隠しを貼っているので、ルームミラーでの後方確認はしません。後方はサイドミラーと、あとはドライブレコーダーで撮影。なのでリアワイパーをレス化しても、前後で使い方は変わらず、不便に思ったことはありません。
| 項目 | 評価 | ひとこと |
|---|---|---|
| 車高・最低地上高 | ◎ | 雪道で底を擦らない |
| ヒーター・暖房 | ◯ | 早くも遅くもなく普通 |
| 視界 | △ | 見上げる視界で狭め |
| ワイパー | △ | 密着性が低めに感じる |
| デフロスター | △ | 全面でなく溶けに時間 |
| 荷室 | ◎ | 板もブーツも積みやすい |
| リアワイパーレス | ◯ | 用途変わらず不便なし |
雪道×プロボックスのよくある質問(Q&A)
Q. ノーマルタイヤ(夏タイヤ)のままでも雪道は走れますか?
A. 走り出せても止まれないので、とても危険です。JAF公式のテストでも、雪道のノーマルタイヤは「走れても止まれない」と報告されています。冬はスタッドレスタイヤかチェーンが必須です。
Q. 大雪のとき、スタッドレスタイヤなら必ず通れますか?
A. いいえ。大雪時に出される「全車両チェーン装着規制」の区間では、スタッドレスタイヤだけでは通行できず、チェーンの装着が必要になります(国土交通省)。峠など立ち往生が起きやすい区間が対象で、4WD車も例外ではありません。
Q. 雪でスタック(立ち往生)してしまったら、どうすればいいですか?
A. タイヤの周りの雪を取り除き、前後にゆっくり動かして雪を踏み固めると脱出しやすくなります。あわせて、マフラーの排気口が雪でふさがると排気ガスが車内へ逆流し、一酸化炭素中毒の危険があります。停車・待機するときは排気口まわりの雪も必ず取り除いてください。
Q. 駐車中に屋根へ積もった雪は、そのまま走ってもいいですか?
A. 走行中にずり落ちて視界をふさいだり、急ブレーキでフロントガラスへ滑り落ちると危険です。出発前に下ろしておくのが安全です。
まとめ
プロボックス4WDは、雪山に通う相棒としてしっかり働いてくれます。荷室の積みやすさや前夜移動+車中泊との相性は特に良いです。一方で、視界やデフロスターなど「最新の車と比べると一歩譲る」部分もあるのが正直なところ。そして何より、4WDでも油断はしないこと。チェーンが本当に必要になる場面が来るのかは、私はまだ経験していないので断言できません。それでも過信せず構えておきたい——というのが正直な気持ちです。
なお、姉妹車のサクシードでも中身はほぼ同じなので、同様に冬の遠征車として使えます。

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