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雪道はプロボックスの4WDでこそ本領を発揮する。以前、そんな記事を書きました。ただ、このブログを読んでくださっている方の多くは、実際には2WDのプロボックスに乗っているはずです。冬を前に「雪道、うちの2WDで大丈夫か」と不安になっている方も多いと思います。
ただ、今のプロボックスは4WDです。その前に乗っていたbBは2WDで、雪道で動けなくなった経験もあります。だから「もし2WDだったら」という想像ではなく、実際にこの目で見たこと、自分の手で確かめたことだけを積み重ねて、2WDで冬を乗り切るための材料をまとめます。
🚗 この記事の結論
チェーンが「法律上」必要になるのは、大雪特別警報級で「チェーン規制」が発動した時だけです。ただし2WDは、スキー場の駐車場入口のような登坂で渋滞に巻き込まれると、規制がなくても動けなくなります。私自身がbBで経験しました。
私自身、2WDのbBでチェーンを買ったまま一度も使わずに手放した経験があり、今の4WDでも「買わない」を選んでいます。ただし、行き先にチェーン規制区間(全国13区間、長野なら中央道を含む)があり、大雪の日でも出かける予定があるなら、買っておいた方が安全です。
🅿️ 深夜の峠で見た、2WDチェーン装着30分の記録

実際に見た場面から始めます。スキー場の駐車場入口付近、登坂でアイスバーンになりやすい道路でのことでした。年下の知り合いが2WDのトヨタ・ハイエースに乗っていて、翌日一緒にスノーボードを滑る予定だったのですが、その坂を登れずチェーンを装着することになりました。
私も立ち会いました。車が動かないよう、積んでいたハンマーをタイヤに噛ませて車止め代わりにし、雪の積もった路上にしゃがみ込んで、チェーンを巻き付けてはフックを掛ける作業を繰り返していました。初めての装着だったこともあり、時間は30分以上かかりました。
寒さで手が凍え、時折吐く息で手を温めながらの作業です。夜で視界も悪かったので、私の車のヘッドライトをその場に向けて光量を確保しました。装着が終わると、少しずつアクセルを踏んでようやく坂を登り切り、「マジ助かりました」と言われました。
その一部始終を見ていて、「4WDに乗ってて本当に良かった」と、心から思ったのを覚えています。
この場面からもう一つ言えるのは、買うと決めたなら、雪が降る前に一度、自宅の駐車場で装着の練習をしておくべきだということです。同じ作業でも、暗くて寒い坂の上で初めてやるのと、明るい平地で一度経験してからやるのとでは、かかる時間がまったく違います。
👀 なぜそんなに大変なのか。実測データで見る2WDの限界

あの坂、感覚では「30度くらいはあったんじゃないか」と思っていました。ただ、これはあくまで体感です。実際にJAFが行った実測テストの数字を見ると、もっと緩い角度でも同じことが起きうると分かりました。
JAFのユーザーテストでは、勾配9%(角度にしておよそ5.1度)の坂はスタッドレス装着車4台とも登り切れましたが、勾配20%(約11.3度)の坂では、スタッドレスの2WD車2台が坂の途中でスリップし、登り切れませんでした。4WD車2台はどちらも登坂できています。
差が出る理由は単純で、4WDは4本のタイヤすべてで路面に力を伝えられるのに対し、2WDは2本だけだからです。ただしこれは発進と登坂の話で、止まる性能は別物です。国土交通省は、4WD車は重量が大きいため下り坂で急ブレーキをかけたときに止まるまでの距離が長くなる、と説明しています。次に書くチェーン規制で4WDも対象になるのは、この理由からです。
🚧 意外と知らない「チェーン規制」というルール

2018年12月に始まった制度で、大雪特別警報や気象庁の緊急発表が出るような異例の降雪時にだけ発動します。過去に大規模な立ち往生が起きた峠部などが対象で、対象区間はあらかじめ全国13区間(高速道路7区間・国道6区間)に固定されています。
重要なのは、この区間ではスタッドレスタイヤを履いているだけでは通行できないという点です。4WDであっても対象で、チェーンを装着しなければ規制が解除されるまで通れません。
自分の行動範囲に関係がないか調べてみると、長野県には2つの該当区間がありました。上信越道の信濃町IC〜新井PA(約25km)は長野から新潟へ抜ける区間、中央道の飯田山本IC〜園原IC(約9.6km)は長野県内・岐阜県境の手前にある区間です。新潟まで行かなくても、中央道で長野に向かうルートなら後者が関係してくる可能性があります。
念のため、全13区間を一覧にしておきます。まず高速道路の7区間です。
| 都道府県 | 路線・区間 | 延長 |
|---|---|---|
| 新潟県・長野県 | 上信越道 信濃町IC〜新井PA(上り線) ★私の行動範囲 | 24.5km |
| 山梨県 | 中央道 須玉IC〜長坂IC | 8.7km |
| 長野県 | 中央道 飯田山本IC〜園原IC ★私の行動範囲 | 9.6km |
| 石川県・福井県 | 北陸道 丸岡IC〜加賀IC | 17.8km |
| 福井県・滋賀県 | 北陸道 木之本IC〜今庄IC ★私の行動範囲 | 44.7km |
| 岡山県・鳥取県 | 米子道 湯原IC〜江府IC | 33.3km |
| 広島県・島根県 | 浜田道 大朝IC〜旭IC | 26.6km |
残りは直轄国道の6区間です。
| 都道府県 | 路線・区間 | 延長 |
|---|---|---|
| 山形県 | 国道112号 月山道路 西川町月山沢〜鶴岡市田麦俣 | 15.2km |
| 山梨県・静岡県 | 国道138号 山中湖・須走 山中湖村平野〜小山町須走 | 8.2km |
| 新潟県 | 国道7号 村上市大須戸〜村上市上大鳥 | 15.3km |
| 福井県 | 国道8号 あわら市熊坂〜あわら市笹岡 | 3.2km |
| 広島県・島根県 | 国道54号 赤名峠 三次市布野町横谷〜飯南町上赤名 | 2.5km |
| 愛媛県 | 国道56号 鳥坂峠 西予市宇和町〜大洲市北只 | 7.0km |
出典:国土交通省「道路:雪防災」のチェーン規制箇所一覧(2026年9月時点)。
🙋 実は私も、チェーンを買って一度も使わなかった

偉そうに書いていますが、私自身も冬の備えで完璧だったわけではありません。以前乗っていたbBの頃、雪道に備えてチェーンを買いました。結局、一度も使わないまま車を手放し、フリマアプリのメルカリで売却しています。
ただ、2WDのbBで何もなかったわけではありません。冒頭で書いた、知り合いがチェーンを付けたあの駐車場入口の登坂で、私自身もbBで動けなくなったことがあります。
その日は登坂で車が渋滞していて、係員の方が空いたスペースに1台ずつ誘導していました。車は連続で入っていっていたのですが、私の前を走っていたアルファードが登坂の少し上で停車してしまい、私のbBも先に進めず停車しました。アルファードが走り出したので私もアクセルを踏みましたが、前に進まずタイヤが空回りし、車が横を向いてしまいました。諦めて下の駐車場に車を停めて、難を逃れた覚えがあります。
それでもチェーンを使わずに済んだ理由は、比較的近場のスキー場ばかり選んで滑っていたからだと思います。行動範囲を自分で狭めていたということでもあり、色々なゲレンデに行きたい人からすれば、それはそれで足かせになるはずです。単純に、装着すること自体が嫌だったというのも正直な理由の一つです。
それでも無防備だったわけではなく、スキー場に向かう前には積雪情報を確認し、途中で積雪量が多くなりそうなら行き先のスキー場自体を変える、というやり方で安全に往復できる場所を選んでいました。
🤔 代替案を全部潰したら、見えてきたもの

今のプロボックスは4WDで、スタッドレスも履いていますが、チェーンは積んでいません。それなりの積雪には何度も遭遇していますが、経験則でここまで大丈夫だったからです。ただ、正直に言うと「フルタイム4WDならほぼ走破できる」と、自分に都合よく思い込んでいる部分もあります。実際、4WDでも登坂の途中からの発進では、空転こそしないものの少しもたつくことが数回ありました。じんわりアクセルを踏んで発進できたので「怖かったけど大丈夫だった」部類ですが、4WDなら何でも登れるわけではありません。
購入を迷った時、チェーンを買う以外の選択肢も考えてみました。レンタルチェーンは、借りて返す手間がかえって面倒に思えました。JAFのロードサービスは、自分がそれを呼ぶような状況では、他の2WD車も同時に立ち往生していて到着まで時間がかかりそうです。現地のチェーン脱着サービスも、同じ理由で混雑が予想されます。
迷った時に調べた4つの選択肢を、費用と「その日に本当に使えるか」で並べるとこうなりました。
| オススメ度 | 手段 | 費用の目安 | 大雪の日に本当に使えるか |
|---|---|---|---|
| △ | レンタルチェーン | 1日2,200円+破損保険1,300円+往復送料 (3泊4日で計9,940円の例) | 取り寄せて返送する前提。降ってから手配しても間に合わない |
| △ | JAFを呼ぶ | 会員は基本料が無料(作業も30分程度まで無料) 非会員は一般道の昼で基本料15,700円+作業料 雪道のスタック引き出しは非会員21,700円の例 | 電話1本で呼べるが、大雪の日は要請が集中して到着時間が読めない |
| △ | 現地の出張・取り付けサービス | 業者の例で基本料19,800〜24,200円+取り付け2,200〜6,600円+チェーン代6,600円〜 高速道路上の作業は約10,000円加算 | 降雪時は依頼が集中する。立ち往生の現場はさらに高額になる |
| ◎ | 自分で買って積んでおく | 6,980円(この記事で調べたエマーソンIB-051Nの場合) | いつでも使える。ただし自分で装着する手間と、雪の中での作業の慣れが要る |
料金は2026年9月時点で調べた実例です。JAFは公式サイトの料金表、レンタルはチェーン専門レンタル店、出張サービスは群馬・軽井沢エリアの業者の公表価格です。地域・業者・時間帯によって変わります。
🚙 4WD歴で見えてきた、私なりの結論

結局のところ、今の私はチェーンの購入を一旦保留しています。理由は単純で、チェーン規制が発動するような大雪特別警報級の日であれば、そもそも長野に行くこと自体をやめるからです。
私の温度感は、道路状況に問題がない時に出かけて楽しむ、というものです。滞在中に大雪になりそうなら早めに切り上げて帰りますし、本当に危ないと判断すれば、有給を使って現地で滞在し、安全を確保してから帰るつもりです。
そして、bBで「買ったのに一度も使わなかった」という経験が、もう一度チェーンを買うことへの心理的なハードルを、今も少し上げています。

もう一つ、この記事を書きながら気づいたことがあります。チェーンが要るかどうかは、駆動方式だけでなくスタッドレスタイヤがどれだけ新品に近いかでも大きく変わるということです。ブリヂストンの解説では、スタッドレスは夏タイヤより柔らかいゴムでできているため、劣化して硬くなると滑りやすくなります。使用開始から5年で点検、製造から10年で交換が目安で、溝が50%まで減ると「プラットホーム」という突起が出て性能が落ちたサインになります。毎年買い替えられるものではないので、冬の前に自分のタイヤの製造年と溝を一度見ておくことが、チェーンを買うかどうかの判断材料になります。
🔍 それでも備えるなら、私が調べた候補

ここから先は、私自身が使っていない前提で読んでください。買うかどうか迷った時に実際に調べた候補として、正直に書いておきます。
まず、タイヤチェーンは大きく3種類あります。値段も、チェーン規制で通れるかどうかも違います。
| 種類 | 価格の目安 (155/80R14) | チェーン規制での扱い | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 金属チェーン | 約3,000〜11,000円 | 問題なく通行できる | 駆動力が高く収納がコンパクト。振動と騒音があり、使用後の錆対策が要る |
| 非金属(ウレタン・ゴム) | 約19,000〜29,000円 | 問題なく通行できる | 軽くて静か。低温で硬くなり着けにくくなることがあり、収納ケースは大きめ |
| 布製カバー | 約3,000〜16,000円 | 現場係官の指示に従う扱い。通れない可能性がある | 軽くて着けやすいが耐久性は低い。緊急脱出用という位置づけ |
種類ごとの特徴と規制での扱いはJAFの解説より。価格は155/80R14に適合する製品を2026年9月に調べた範囲です。
本命は、サクシード・プロボックス・ADバンなど商用車専用として売られている、エマーソン(ニューレイトン)のIB-051Nという金属チェーンです。金属亀甲型・リング式12mmで、ジャッキアップ不要の取り付けタイプ。適合サイズは165R13・155/80R14・155R14で、私の車のタイヤサイズにもそのまま合います。価格はAmazon・楽天とも6,980円で、価格差はほぼありませんでした。
自分の車のタイヤサイズが分からない時は、タイヤの側面(サイドウォール)を見てみてください。数字とアルファベットで刻印されています。私のスタッドレスタイヤにも、下の写真のとおり「155/80R14」とはっきり書かれていました。

💡 チェーンを選ぶ時に確認したポイント
✅ 自分のタイヤサイズ(例:155/80R14)にそのまま適合するか(サイズが違うと、そもそも装着できないか、緩すぎて外れる)
✅ 商用車用(LT規格)タイヤの場合、その規格に対応した製品か(LT規格は荷物を積む商用車向けの強化タイヤ。同じサイズ表記でも外径が乗用車用と微妙に違う)
✅ ジャッキアップが必要な取り付けタイプかどうか(雪道でのジャッキアップは不安定で危険。ジャッキ不要タイプならその場でしゃがんで装着できる)
✅ 布製(スノーソックス)は軽量で扱いやすいが、チェーン規制対応かどうか製品ごとに確認が必要(規制区間では対応表記の製品でないと通行できないことがある)

📝 持ち帰り|状況別チェーンの要否早見表
あくまで私の判断基準ですが、状況を整理するとこうなります。
| 状況 | チェーンの要否 |
|---|---|
| 近場・道路状況が良い日だけ出かける(私はここ) | 積まなくても大きな支障は少ない |
| 大雪予報でもどうしても出かける用事がある | 携行を検討する余地あり |
| スキー場の駐車場入口など、登坂で渋滞しやすい道を2WDで走る | 携行を検討する(私はbBでここで動けなくなった) |
| 行き先がチェーン規制区間を通る可能性がある | 携行を強く推奨 |
❓ 2WDの雪道チェーンのよくある質問(Q&A)
Q. チェーン規制区間かどうかは、走る前にどうやって確認すればいいですか?
A. 日本道路交通情報センターの交通情報やハイウェイラジオで確認できます。気象庁と国土交通省は大雪の2〜3日前に「規制発動の可能性」を発表するので、出発前にチェックすると安心です。
Q. チェーン規制に違反したら、罰則はありますか?
A. 通行禁止を無視して規制区間に進入すると、違反点数2点・反則金なしの処分になります。反則金がないから軽いわけではなく、立ち往生や事故のリスクそのものが罰則より重い問題です。
Q. チェーンは4本のタイヤ全部に巻いた方が安全ですか?
A. いいえ、駆動輪だけに装着するのが基本です。4WDでもメーカーが指定する駆動輪側だけに巻きます。全輪に巻くと、車種によってはセンターデフ(前後のタイヤの回転差を吸収する装置)を制御するコンピューターが誤作動する恐れがあります。
Q. 使い終わったチェーンは、そのまま保管して大丈夫ですか?
A. 金属チェーンは使用後に水洗いして融雪剤の塩分を落とし、しっかり乾かしてから保管するのが基本です。濡れたまま放置すると錆びて次に使えなくなることがあります。
🎯 まとめ:正解は一つじゃない
2WDだから絶対に買うべき、4WDだから絶対に不要、というような単純な話ではありませんでした。行き先にチェーン規制区間が含まれるか、大雪の日にどうしても出かける用事があるか、そして自分がどこまで手間をかけられるか。人によって答えは変わってくると思います。
私自身は、そもそも大雪の日には行かないという計画と、現地で危なくなったら早めに切り上げる・有給を使ってでも安全を優先するという逃げ道を用意することで、チェーンが必要になる場面自体を作らないようにしています。今のところの結論ですが、状況が変われば買う可能性もあると思っています。

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