
ダブルレンズのゴーグルなのに、転んで雪が入ると曇ります。
ダブルレンズは、レンズを2枚重ねて、間に空気の層を作ったゴーグルです。二重窓で窓ガラスに水滴がつきにくくなるのと同じで、冷えにくく、曇りにくい作りです。
この記事は、スノボ歴12年の私が、ゴーグルに雪や湿気が入った時にやっていることを、メーカー公式の情報と並べて整理したものです。使っているゴーグルは、OAKLEYのLINE MINER Lです。
ゴーグルが曇る原因は、中に入った湿気です。転んで入った雪、自分の息、滑って暑くなった体の湿気が中に入ると、レンズの内側と外の温度差で結露(空気中の水分が水滴になること)して、ダブルレンズでも曇ります。
雪が入ったら、まず振って落とし、濡れたまま内側を擦らず、柔らかい布で押し当てて吸います。
付け方で顔との隙間をなくし、息はレンズに当てない。私が毎回やっているのは、この3つです。
💡 この記事でわかること
✅ ダブルレンズでも曇る理由(結露の仕組み)
✅ 転倒で雪が入った時の、私の4段階の対処
✅ 内側を拭く時の注意と、メーカーごとの書き方の違い
✅ バラクラバ(顔まで覆う防寒具)の鼻息・付け方・レンズ交換など、曇りを減らすために私がやっていること
🌫 ダブルレンズなのに曇るのはなぜ?

ゴーグルの曇りは、中の暖かく湿った空気が、冷えたレンズの内側に触れて水滴になる現象(結露)です。冷たい飲み物を入れたコップの外側に水滴がつくのと同じです。フロントガラスの内側が曇るのも、同じ仕組みです。
ダブルレンズは、間の空気の層で、内側のレンズが冷えるのを防ぎます。ただし、防いでいるのは「冷えること」だけです。転んで雪が入ったり、息が入ったりして、湿気そのものが中に入ると、ダブルレンズでも曇ります。
📚 調べて分かったこと:曇る原因(私の体験ではありません)
・ゴーグルが曇りやすいのは、体が暑くなりすぎた時、フェイスマスクが熱い息をレンズに流す時、ヘルメットやマスクが通気穴をふさぐ時とされています(Anon公式)。
・ダブルレンズは、2枚の間の空気層が結露を抑えるとされています(100%公式)。
・フィットが悪い、またはシール(顔に当たる部分)が傷んでいると、冷気が入るとされています(100%公式)。
フロントガラスの内側が曇る仕組みは、別の記事で詳しく書いています。
🔍 シングルレンズとダブルレンズ、何が違う?トリプルレンズはある?
レンズが1枚のゴーグル(シングルレンズ)は、レンズの内側が、外の冷たい空気に近い温度まで冷えます。そこへ、顔の暖かく湿った息が当たると、結露して曇ります。
ダブルレンズは、レンズを2枚重ねて、間に空気の層を作ったものです。この空気の層が、断熱材のはたらきをします。二重窓で、窓ガラスが結露しにくくなるのと同じです。
空気の層が断熱材になるのは、空気がガラスよりも、熱を伝えにくいからです。ダウンジャケットが暖かいのは、羽毛の間に空気をたくさん含んでいて、外の冷たさが伝わりにくいからです。あれと同じ理屈です。
📚 調べて分かったこと:シングル・ダブル・トリプルのレンズ(私の体験ではありません)
・なぜシングルでは曇りやすいのか:スキー用のゴーグルは、外の気温が低く、顔とゴーグルの間にたまった空気の湿度が高いため、曇りやすいとされています(米国特許 US7865977B2の背景説明)。
・空気が断熱になる理由:熱の伝わりやすさを表す数字を「熱伝導率」といい、値が小さいほど熱が伝わりにくくなります。空気は0.024、ガラスは1.0で、空気はガラスの約40分の1です(日本板硝子の複層ガラスの資料。0℃の場合)。
・ダブルレンズのメリット:2枚のレンズの間に空気の層を作ると、内側のレンズが外側のレンズより高い温度に保たれ、曇りにくくなります(米国特許 US3931646A)。

・どう作られているか:2枚のレンズの間にすき間を空けて重ね、空気の層を閉じ込めます。Smithは自社の歴史として、最初の密閉した熱レンズ(sealed thermal lens)を作ったと書いています。また、標高が変わると、空気の層の圧力差でレンズが膨らんだり割れたりするため、空気の層には通気が必要とされています(US7865977B2)。
・ダブルでも曇る場合:空気の層に、顔の後ろからの湿った空気が入ると、外側のレンズの内側で結露することがあるとされています(US7865977B2)。

・トリプルレンズはある?:3枚構成をうたうゴーグルもあります。Decathlon(WEDZE G 900 I)は、中のレンズがポリカーボネート、内側のレンズがアセテート(どちらも樹脂の素材)で、「トリプルレンズの厚み」により、WEDZEの中で最も丈夫なマスクだと説明しています。曇りにくさのためとは書かれていません(Decathlon公式)。
🥶 転んで雪が入った時の、私の4段階

転んでゴーグルに雪が入ると、そのまま滑るのは無理ですよね。私は、雪の量に応じて、次の順番で対処しています。
① まず外して、振って落とす。落とせるだけ落とします。
② レンズを拭くクロスで拭く。軽く雪が入った程度なら、ここでほぼ取れます。
③ こびり付いている時は、そのまま我慢して休憩所まで行く。休憩を兼ねて、レンズの雪を溶かして乾かします。
④ びちょびちょに濡れた時は、トイレのハンドドライヤーで水分を飛ばすこともあります。この方法は、メーカー公式には記載が見つかりませんでした。メーカーが書いているのは、自然に乾かす方法です。
📚 調べて分かったこと:雪や水が入った時の扱い(私の体験ではありません)
・濡れた内側を拭くと、雪や氷を内側に広げてしまい、曇り止め処理を取ってしまう。余分な雪を叩き落として、マイクロファイバー(細かい繊維で作られた布)で水分を押さえる(Smith公式)。
・まず振る、または手に軽く当てて水分を落とす。そのあと、マイクロファイバーやゴーグル袋で押し当てて吸う(Burton公式)。
・乾かす方法は、自然乾燥の記載のみ。熱風やドライヤーの記載は見つかりませんでした(Burton公式)。
①の「振って落とす」は、SmithとBurtonが書いている方法と同じでした。
🧽 内側は擦らず「ポンポン」と当てて拭く

曇ったレンズは、つい擦って拭きたくなりますよね。私は、内側のレンズは傷つきやすいと聞いたので、擦らずに、上から軽く当てる「ポンポン」で水分を吸い取っています。
濡れたレンズの内側を擦ってはいけない理由を、メーカーはこう書いています。内側の曇り止め処理は、濡れると柔らかくなります(Burton公式)。濡れた紙は、擦ると破れやすくなります。あれと同じです。

内側のレンズの扱いは、メーカーによって書き方が少しずつ違います。次の表は、各メーカーの公式ページに書かれている、内側のレンズの扱いを並べたものです。左から、メーカー名、内側を拭く・触ることへの考え方、内側に別のクリーナーなどを使うことへの考え方です。
| メーカー | 内側を拭く・触ること | 内側に別のクリーナーなどを使うこと |
|---|---|---|
| OAKLEY | 濡れた内側はこすらない。 雪を振り落とし、 付属の袋で水滴を優しく拭い取る | 紙製品やスキーグローブなど、 ざらざらした物で拭かない。 他社のクリーニングキットも使わない |
| Smith | 濡れた・曇った内側は拭かない。 雪を叩き落とし、 布で水分を押さえる | 自社品は曇り止め処理済みで、 別売りのスプレーは不要 |
| Dragon | 濡れた内側の拭き方は記載なし。 滑り終わったら外して、 クロスで水分が飛ぶまで乾かす | (記載なし) |
| Anon | 内側に触れない。 ゴーグル袋で押さえるのは 最後の手段 | (記載なし) |
| SWANS | レンズの水分は、 柔らかい布で押しとる。 こするように拭かない | 撥水加工レンズに、 市販のくもり止め・撥水液を使わない |
メーカーごとに、内側のレンズに何かを使うかどうかの考え方が違います。使っているゴーグルの説明書やメーカーの案内を確認してから判断してください。
私が使っているクロス
私は、用途の違うクロスを2つ使い分けています。
メガネ屋で使っている普通のクロスは、雪が付いたゴーグルの雪を落としたあと、水滴を拭き上げるために使います。
Amazonで買ったPetasonienの「メガネ くもり止めクロス」(600回繰り返し使えるタイプ)は、滑る前にレンズに施して、曇り自体を少なくする効果を期待して使っています。簡単に言うと、曇り止めです。ラーメンを食べる時に、このクロスで拭き上げたメガネを掛けていても曇らない、というような使い方です。商品の説明どおり、レンズの外側と内側の両方に使っています。
拭き上げたあとに息を吹きかけると、曇らなくなりました。ただし、ゲレンデでどこまで効果が続くかは、私には分かりません。曇り止めを塗ることは、していません。
OAKLEY公式は、レンズのお手入れにOAKLEYのバッグかクリーニングキットを使い、その他の溶剤や化学薬品、他社のクリーニングキットは使わないよう書いています。曇り止めクロスそのものについての記載は、見つかりませんでした。
👃 バラクラバの鼻息で曇る

バラクラバをしていると、鼻息でゴーグルが曇ることが、何回もありました。今は、鼻で呼吸する時は鼻だけ出し、口で呼吸する時は口まで出すようにしています。

バラクラバを鼻まで上げていると、鼻や口から出した息は、服の中にこもるか、目のほうへ抜けていきます。この時、ゴーグルを顔にきちんと付けていなくて隙間があると、そこから暖かい息がゴーグルの中に入ります。すると、レンズの外(冷たい)と内側(暖かい)で温度差ができるので、曇りやすくなります。しかも、内側に入ってくるのは息なので、水分をたっぷり含んでいて、さらに結露しやすくなります。暖かい部屋の窓ガラスの内側に水滴がつくのと同じです。
だから、バラクラバを使う時ほど、ゴーグルを付けたあとに、顔との隙間をなくすことが大事です(次の見出しで書いています)。
📚 調べて分かったこと:息とフェイスカバー(私の体験ではありません)
・息が通る、軽いフェイスカバーを選ぶ。バラクラバなどをゴーグルの下に押し込まない。暑い時は、顔のカバーを一時的に下げて熱と湿気を逃がす(Anon公式)。
・息をレンズに当てないという考え方は、私のやり方と同じでした。
バラクラバをかぶった時の髪の話は、別の記事に書いています。
🥽 付け方で、顔との隙間をなくす

ゴーグルを付けたあとは必ず、バンドの長さを調整する部品を動かして、締め付けの強さを調整しています。
その後、レンズを軽く顔に押し当てて、レンズ自体を上下に動かしながら、顔に密着させます。目的は、顔とゴーグルの隙間をなくすことです。隙間があると、雪しぶきや息が入る入り口になります。
📚 調べて分かったこと:ゴーグルのフィット(私の体験ではありません)
・顔に隙間なく密着するものを選ぶ。ヘルメットや帽子をかぶった状態で試着する(Smith公式)。
・フィットが悪いと、冷気が入る(100%公式)。
🎒 レンズは朝に決める。それでも変わる時は車に戻る

スペアレンズは、基本的に朝、天気を見て決めます。ただ、雪山の天気は変わりやすいです。晴れると思っていたのに、滑り始めたら曇ってきた時は、急いで車に戻って、レンズを交換しています。
リフトに乗っている間は、何もなければ、ゴーグルを付けたままにしています。雪が降っている時も、眩しい時もあるからです。スマホの画面が見にくい時だけ、おでこまで上げます。
📚 調べて分かったこと:おでこにゴーグルを乗せること(私の体験ではありません)
・ゴーグルをおでこに乗せると、熱と湿気が閉じ込められて曇る。おでこには乗せず、ヘルメットの上に乗せるか、手に持つ(Smith公式)。
・ゴーグルを頭や帽子にのせると、通気ポート(ゴーグルの空気の通り道)の働きが落ちて、溶けた雪や汗の水蒸気が内側に入り込む。くもりを抑えるため、ゴーグルは常に顔に着ける(OAKLEY公式)。
・私のおでこに上げる使い方は、メーカーが勧めていない方法です。
❓ よくある質問

Q. ゴーグルは、使い終わったらどうすればいいですか?
A. 完全に乾かしてから、袋に入れて保管してください。Anon公式は、完全に乾かすこと、直射日光を避けて、涼しく乾燥した場所に置くことを書いています。
Q. ゴーグルをケースに入れる時、気をつけることはありますか?
A. 上から物を載せるなど、圧力がかからないようにしてください。SWANS公式は、ケースに入れていても圧力がかかった状態で保管すると、ダブルレンズはレンズ剥がれの原因になり、レンズ間のくもりが発生する原因になると書いています。
Q. ゴーグルを、車の中に置きっぱなしにしてもいいですか?
A. 避けてください。OAKLEY公式は、車のダッシュボードやバックミラーなど、熱と日光が集中する場所に放置しないよう書いています。SWANS公式は、保管に適さない場所の例として夏場の自動車の中を挙げ、50℃以上の高温と多湿を避けるよう書いています。
📝 まとめ

ゴーグルが曇る原因は、中に入った湿気です。転んで雪が入った時は、振って落とし、濡れたまま擦らず、押し当てて吸います。
付け方で顔との隙間をなくし、息はレンズに当てない。私が毎回やっていることは、メーカー公式の情報と、ほとんど同じ方向でした。ただし、ハンドドライヤーを使うことと、おでこに上げる使い方は、メーカーが書いていない、または勧めていない方法です。

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